ノレンヲクグルシグサニヒンヲカンジル

先日の事。何て事ない、普通の天ぷら屋で、

お好みの天ぷらをセットにして貰っていた所、

とても、品の良い人が入ってきた。

 

 

別に身なりは普通の洋服だし、

髪型も日本風に結わえている訳でもないんでもない。

靴だって、普通にスニーカーを履いている様な、

年の頃、40代前半の女性だった。

 

 

何処にも、品を生み出す要素を感じさせる物は無かった。

 

 

しかし、とても品を感じた。

その女性が歩く姿、そしてイスを引き、席に付く姿に、

なるほどと、妙に納得した気がした。

 

ちょっとした所作や仕草に品があるのだ。

気品漂うなんていうと、大げさだろうか。

でも、持ち合わせの言葉の中では、

それがぴたりとはまる言葉だった。

 

きっと、店内に入る時だって、

のれんの潜り方にとても品を感じたいのだ。

小粋だと思わされたのだ。

 

 

天ぷら屋と言う、多少、敷居の高いお店だからこそ、

その品が垣間見えたのかもしれない。

 

たかが、暖簾を潜るだけでも、

そうしたお店だからこそ、

見る事が出来た品なのかも知れない。

 

そんな事を思った。

 

 

聞く所によると、ご自宅が華道の家元らしく、

自然と、品のある振る舞いが出来てしまうのだそうだ。

 

そうした自分のまったく知らない世界の事を話す、

そんな人の話は非常に面白い。

 

 

やはり環境と言う物なのだろうか?

のれんの潜り方に育った環境の良し悪しがあるとは言わない。

 

映像やイメージなので擦りこまれている物あるだろう。

だけど、最低限の品性と言う物は欲しいなーと思う。

 

品があった方が、やっぱりちょっと、

かっこよいし、素敵だと思う。

 

のれん一枚で、そんな事を考えさせられた一日だった。

天ぷらは、非常に美味かった。

塩で食べる物は、塩でもいいけど、

意外と、天汁が美味い店ってのもポイントだと思う。